風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

[niche]

 

時計の針だけ信じて
目まぐるしく走る白黒 数字達
ハッキリとしたコントラストで
それは人の容に見えた
ネジが緩んで加速する
それをただ続けて
それしか無いみたいな顔をして
手と足だけで行進する

ねぇ気づいてよ
赤と青と教えて貰った
その口で紫を語るんだからさ

ねぇ気づいてよ
穴の中で空を見上げてる
暗闇は何処までも距離が無い
それが眩しいか暗いかの違いしかないって


体に降り積もる雪みたいに
重さを持って
熱を持って
貯まっていくよ 溶けもせず

ゆっくりと苦しみをもって
ゆっくりと悲しさをこめて
ゆっくりと厳粛に
口ずさむ音 薄く塗り重ねて
錆みたいにぽろぽろ剥がれた

ねぇ気づいてよ
理屈にもなってない
見て見ぬ振りの その振りを

ねぇ気づいてよ

ゆっくりと苦しみをもって
ゆっくりと悲しさをこめて
ゆっくりと厳粛に