風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

詩・散文詩(HP)

小箱破壊命令

硬いベットの上 濡れた眼が鬱陶しい 口と心の間の小箱破壊指定 虹の渦巻きが溢れ出す 誰よりも当然だと思ってる 泣きじゃくる子供達を眺めて 自分も泣けてくるそんな愚か者 失敗したその手は何処へ行く この頭でこの脚で腕で 何もかもほら見えてない 暗がり…

業 -GO-

明日はまだ見ぬ 業の夜明けさ 昨日以降の記憶無くす 足掻く癖に先は見えてる 椅子は埋まった 居場所なんて無い 新世界車窓の眺め 軽めの女は赤い素足で 必死に藻掻いているのに 同じように真似をすれば 楽なのかもしれない 一緒に笑っていれば 良かったかも…

Hippies Sluge

いつも人のせいにして 和む仕草 カタチアル 本棚に 入り込む鼠 怖い 人混みに 紛れ込んだ 儚い 万有引力の幻 コンクリートの街 通り抜けていく 光の 影を 踏んだ それは パーティーゲームみたいで まるで違う サイコロ 使って遊ぶ 1から12 飛び石みたい …

電凸QQQ

1.電子水 たゆたう 声 渡る対岸 スパークのデコイ メッシュの島が見えてくりゃ 電子音の小波が 切なさを煽る ボタンで出来た 夜空の星は 一つ一つに 意味がある 黄色いボタンで流星が 真っ赤なボタンで月が出る 月は大きなネオンサイン 今夜には帰るよ 誰か…

Mono

1.青い街一人 寄り添った影 真鍮製の文字が見える この空しさを言葉に変えて 電灯を見上げる片言の台詞 ぽつり ぽつり 小雨が降り出したら 傘も差し出さず 通り過ぎる街 2.青い街二人 離れてく足音 繰り返した文字が消える この寂しさを視線に変えて あなた…

テンプレート

二人の距離が縮まる度に 言葉が何処か 遠くへ消えて 何もしない事でさえも 怒ってしまう 事ばかりだよね 壊れてしまうほど 傷つけあい修復した甘さ 一時の気持ちだなんて 5分後の事だけで 愛情なんて 絶対信じてあげない ふいに 一つだけ交わした 囁きにも…

Words

思い出の中ポケット探る しまってあった思いで手繰る 懐かしい歌や繊細な事も 今は恥ずかしい でもそれも過去かなんてね マイナーなラブソング 浸ってる自分がいる 未だに歌えてる 歌詞も調子も完璧すぎで 思わず笑うそんな時期なのかな 沢山を追いかけてた…

エマシデンシ

憧れに魅せられて 自分を見失っても 大丈夫さ 君なら がんばれるよ いつだって 僕が保証する 弱気な心 自虐心 どこかへ飛ばしてあげる 泣きそうな時には 言ってね 一緒に 泣く事ぐらいはできるよ 嗚呼 広い空 白い雲 流れてる こんな日には ウジウジ するの…

はずれのおじさん

夏と冬の間の季節には 毎年紙売りのおじさんが現れて はずれの紙を沢山抱えて 紙売りのおじさんは泣くように去っていく 遠くに胡麻みたいに遠く歩いていった後 その後には何も残らない おじさんのはずれの紙を僕は一枚持っていて ベットの下に捨て置いてある…

人形談

人形遣いが人形を捨てた 人形遣いはただの人に戻った 人形は独りぼっちで捨てられた 糸のような雨が降っていた夜に 誰も手を貸さないから動けないけど 濡れた頬を押さえて 人形遣いが糸を手繰るのを 捨てられた人形はずっと待ってる 捨て人形は昔一度捨てら…

A▲

昔々 なんて そんなに昔じゃないけど 心を盗む泥棒がいまして いかにも悪そうな真三角形の眼で ニヤニヤしながら 何処かの穴蔵に盗んだ心を隠してた そりゃ世の中は大変だったよ パニックでトニックよ 「あら奥様シャンプーお変えになりまして?」 「まぁわ…

黒太陽

両手で握ったダイヤの一片 ひび割れた硝子の偽者なのに わかってて彼女はまた 誰かの前で両手をこっそり開く 光が溢れ偽物の光が届き 骸骨の頭みたいにひび割れた真っ白になって 何もかもわからなくなった ある時彼女が泣き出す前みたいに 笑っている時があ…

つるつるすべる

ぎこちないぎこちない ぎこちないぎこちない なんでそんなにぎこちないぞ ぎこちない半分の僕を誰か抱きしめて ぎこちなく道ばたで寝ころぶ猫を眺めて えへへとしゃがんでお喋りしているからね カクカク歩きで声をかけてくるのは ジグザグ歩く車の前の君 あ…

-聖兎- ヒジリウサギ

ビルの際から覗いてる 可愛い顔で見下ろしてる コンクリート蹴って あの人を捜してる 赤い眼をした小さな娘は 眼と同じ色の腕輪をしてる ヒントの紙を無くしてしまい 立ち仰ぐ娘は ただ絶望感感じたほろ酔い気分で 少女の眼をした兄さんや 片足無くした姉さ…

ドミノオペラ♪

持ち崩したオペラ歌手 生まれて以来テノール 灼けた都市郡這いずり回る 芋虫人間でマザコンの男ね 今も 幻影人が行き着く所があって 暗い夜道を越えた先 ソコには駆け出しの演歌歌手が 沢山 ぼえ~って叫んでる 輪になっててね とても五月蝿くて近所迷惑なの…

-Raison d'etre- レーゾンデートル

メディアム 標本人間のパーツ モンタージュの要領で 作り替えられた 兵隊さん達の夜 誰が誰かわからないなら 誰が誰でもかまわないから リサイクル ベルトコンベアーは運ぶ 人造糸で縫い止められた標本人間 生い立ちさへ気にならないように ピアノ鍵盤に似た…

1→11

くしゃみ止まらない午前三時 僕の頭萎んでる 今日か明日かわからないのに 身体の熱は消えてくれない 嗚呼嗚呼 嗚呼嗚ぁ呼ぁ 心置き場が無くて困ってる 嗚呼嗚呼 嗚呼嗚ぁ呼ぁ 溶ろけていくような現実感 落ち込んでみて 直ぐに立ってる 立ち直ってみて突っ立…

ゴスロリちゃん人形

ゴスロリちゃん人形抱いた あの子の瞳は淀んでる 太陽の振るこんな砂漠の末端じゃ 木々に隠された鱗模様が眩しくて 上目遣いで白目剥いてる ゴスロリちゃん人形ケタケタ笑った 彼女の顔を見上げているものだから 可愛いあの子もキチガイじみて 見えてしまう…

こねこ猫の子

こねこ猫の子こねこ猫 コネコネパン生地こねてます 灰茶のちっこい手で ちっこい肉球で コネコネコネコネ きっとロールパンの生地だね こねこ猫の子こねこ猫 コネコネパンが焼けたなら ちっこいお口を目一杯 モフモフ ロールパン食べる ミルクも一緒にね ち…

青い兎

青い兎はやってくる 緑の丘のそのまた向こうの 緑の森からやってくる 青い兎は僕の畑の オレンジ色の人参食べに カリコリカリコリ カリコリカリコリ 勝手に勝手に食べに来る 人参畑は人参だらけで 兎だらけさ青い兎 葉っぱも残らず食べていくのだから 始終僕…

草原木馬

震える顔の回転木馬 やけっぱちになって飛び越えていこう 木馬は 木馬は走る 逃げる 回転木馬は回転から逃げる いつまでも回転していたならば 摩耗してすり減ってしまうよ すり減らなくても摩擦で燃えて 灰になるの 走る木馬は草原を駆けて 木馬は木の馬 ペ…

無人電気量販店

無人電気量販店の奥 隠された扉は 地下へ続く短い階段 そこは不思議な製品でひしめく 切れかけた蛍光灯に照らされた 秘密の空間 オレンジ灯りの信号機や ねじ巻き式のコンパスに 電池も無いのに動くピエロ 血に似た粘液を出すナメクジ 金のくちばしの仕掛け…

トリコロール

真四角型のラブソング 転がして転んだトリコロール 段違いでドミノ空と 二色刷の路は すり込み歩みで行くよ きっとこんな明かりの中では しばしばした眼を擦って 若者も松葉杖を放り投げるね ねぇあの日覚えてる? 夕日の部屋と私の髪を イカサマだったコイ…

虫食い檻のセルバチェ

捕まっちまった 捕まった 逮捕されたよ 錆びた手錠さ 罪状はなんだい? 君は名うての婦人警官で 恋いに恋した僕は愚者 檻に閉じこめられた暗闇 罪購いは無い ただ待っているだけ それなのに 鉄檻の中から見つめる 罪状を述べる君の唇に 僕はなんだかドキドキ…

一年十ヶ月

ほうほうほう わらわらと ごうごうごう びゅんりり ほうほうほう 揺らされて 紅い風 赤い筋 びゅうびららの ごうごうごう ばらばらばらの のうのうやて 南から風 押しのけて ばらばらばらばら どうどうどう ぎいぎいぎい ぎいぎいぎい ざるざるざる ざるざる…

不発爆弾

黄昏時の熱射病 日差しに滅入ってしまう シーツはね除け ゆっくり起きるさ 誰も望まぬ一日の始まり 屋根の上で鳥が睨む 仮の言葉紡いで消える 道化の揺れる言葉遣いも聞こえて 僕は枕で耳栓をするのさ リベット打ちの四角い箱から 陽気な音と共に 赤い光が入…

トゲトゲボール

トゲトゲボール投げたら痛いなぁ トゲトゲだからというわけですよ トゲトゲボールを投げないでよぅ トゲトゲなのさトゲトゲトゲトゲ 黒いボールに赤い棘なのさ クリのイガイガには全然似てもないけど チクチク刺さったらチクチク痛いよ きっと君も持っている…

ケワイ

薄汚れた子犬の目には 煙の切れ間青空を覗く 薄汚れた仔猫の目には ネオンの絶え間月夜を望む 薄汚れた 薄汚れた地面には 薄汚れた 薄汚れた草 薄汚れた 薄汚れた 薄汚れた私は 重なるだけ もう自分でも 真っ黒にしか見えない

スターアイズ

さりげなくふいにされた夜は 瞬く星の欠片よりも 遠く望むココロ覗かせて 逆さ光に揺らされた僕らは 瞬間的に 恋に落ちてしまうかもしれない スイングと狐脚のステップで お手軽なリズム近く交わして 嗚呼 夜が長くなりません 此処に止めておきたくても 展開…

水晶の家の猫

結晶の中に見える猫 猫寒そうに丸々 結晶の家は寒々しい 猫はまん丸結晶の猫 時に欠伸して たまに体制を変えて それでも猫は起きないし 結晶の家から出ない いつだったっけ 猫が一度目を開いた事があった まるで まん丸い硝子が二個填めてあるみたいで ちょ…