君の望んだ探し物
一周回って腕の中
君は自分を顧みず
自由という名の殻の中
まあるい世界の空の上
虚ろな波紋は透き通り
星屑の中をかき分けて
何処へなくとも散っていく
隔たりがあれば幸いで
壁の向こうに耳はなく
しゃっしょこばった顔の儘
蔓草に巻かれ措いていく
ねえ 本当に それは
ねえ 宝石の様に光るそれは
虚ろな君と
陰鬱な僕と
星影の作る大小は
伸びて縮んで
笑いあい
飽くまで踊った白い丘
夜明けを告げる鐘の音と共に
青鈍色のアゲハが飛んだ
沢山沢山沢山飛んだ
音もなくてふの羽が空を覆っている
夜の空を朝の空に変えていく
君のぽかんとした顔の瞳を覗く
真っ暗で透き通り僕は怖くなる