風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

星の卵

君の望んだ探し物
一周回って腕の中
君は自分を顧みず
自由という名の殻の中

まあるい世界の空の上
虚ろな波紋は透き通り
星屑の中をかき分けて
何処へなくとも散っていく

隔たりがあれば幸いで
壁の向こうに耳はなく
しゃっしょこばった顔の儘
蔓草に巻かれ措いていく

ねえ 本当に それは
ねえ 宝石の様に光るそれは

虚ろな君と
陰鬱な僕と
星影の作る大小は
伸びて縮んで
笑いあい
飽くまで踊った白い丘

夜明けを告げる鐘の音と共に
青鈍色のアゲハが飛んだ
沢山沢山沢山飛んだ

音もなくてふの羽が空を覆っている
夜の空を朝の空に変えていく

君のぽかんとした顔の瞳を覗く
真っ暗で透き通り僕は怖くなる