風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

風編みの街

 
風編み 街を駆け抜けながら
色はゆく 空の向こう側へ
茜 紫 群青
夕日の先へ届く複雑な色に手を伸ばした


星が瞬く
今日も夜空に
きっと昨日とは少し違う色
沢山の星が 沢山の糸になって
光りが空を覆った

光の空で
小さな窓みたいなお月様が瞬きすると
一斉に空は落ちた
静かに沈んでいく星達は真珠に変わって
海底の様な街に夜空を作った

潮騒に足を浸す
君の影を追いかけていく
二人この場所で
お互いを見てる間だけ
足元から世界が色づいていくみたいに

急に風が吹き抜けて
海原の街へ誘う
光に濡れた身体も気にせずに
冷たい街のビル影に遊ぶ
君の手の温かさだけを頼りにして


風編み 街を駆け抜けながら
色はゆく 空の向こう側へ
茜 紫 群青
夕日の先へ届く複雑な色に手を伸ばした


全てを包む風編みの街は
まるで光の織物みたい
音も匂いも記憶だって
風が世界の一瞬を留めた