風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

tumble

すれ違う光の帯
君の横顔 駆け抜ける先

鬱蒼とした小道を乗り越え
人知れぬ廃墟の先
水底より浮かんでくるサイン

薄紅色の花を掠り
緑の色をかき分け進む
追いかける君の影は
まだ 遥か先
青色の溜まる君の影は
明るさと暗がりの繰り返しを抜け
虹色に交わる視線の先 掻き消えた

なだらかな河川敷を越え
乾いたビルの稜線を進む
ビル風に背中を押され
導かれる様に人工の星を結ぶその先へ

強張った頬を指先が撫でる
上がる息遣いが空へと昇っていく

君は瑪瑙の空の下
星の娘たちと遊ぶ
太陽に辟易した月の顔を横目に
僕を置いて
笑う様に歌は広がっていく