風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

ウミネコ

屈折した視野の天井で

空回る偽りの全て

沢山のまあるかったり

細かったり

平べったかったり光が

プランクトンみたいに

ゆらゆら揺れながら

どこまでも重なりあいながら泳ぐ

 

深く横たえた砂に埋まった身体

感触も妙に馴染む

居心地の悪い筈なのに

両の手伸ばす

 

縮めた不自由な手足は

私の意識を無視して踊る

お構いなしに泳ぐよう

堪えられない

何処までも重たい鈍色の存在感

真面目な顔して

言葉の泡を飲み干した喉

群青の色だけ吐き出して

姿見の暗がりを転げ回る

 

カルネアデスの水面に

騒々しい音が見える

それは街の出す雑音の潮騒に籠って

可笑しいの

透き通る夢みたい

 

境界線に卵が回る

砕けた星屑が

私に降り注ぐ