足を取られる街の影が
染み込むような重い音を流しながら
忍び寄ってくる
遠くのビルは高さを伸ばしながら
世界から色を切り出していく
魂を抜いていくみたいに
シンプルな正方形達のお祭り
土手沿いを色が落ちて
眩暈がする
無理矢理な歩きに変わる頃
逃げ出した猫たちの足音が
道しるべ
何もない
何もない在り方を
在処を探し出し
二等辺三角形
規則的に並んで直進
赤と青と緑の
道路を行儀よく横断
あの人は元気?
見たくもないの
見たくもないまま
目の前のアナタに言う
彼方の眼をして
嗤ってる
哂ってるよ
足し引きも出来ない
猿のほうがまし
我儘な憂鬱が
夜空を覆い隠して
瞬くたびに嫌なものを見せても
悪い言葉のひとくさりひとくさりが
慰めの様に愛を歌う
心臓の鼓動が
一つ二つ
重い音を響かせながら
両手を広げ
そのしがらみを
我儘な憂鬱が
夜空を覆い隠して
瞬くたびに嫌なものを見せても
悪い言葉のひとくさりひとくさりが
慰めの様に愛を歌う
眩暈がする
慰めの様に愛を歌う