風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

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小蟲の羽音 羽化の色
殻に叩きつける蛹の音
巡り廻る 思いの残響
伸ばした蔓草 舞台の上で
響き渡る多脚の足音 百足の叫び

真っ白な雲の上
溢れた水の空洞の
沫に変わって すれ違う 籠った音が
解き放たれるのかな 力を伴って

指先の空から落ちて
押し付けられた地面に
蹲って鳴いてた
朝も夜も昼も無くして
見つからないままに
探す事が目的に変わって 弾けた太陽
乾いた空気には彩りの褪せたゆめ

繰り返しの定めと
思い込むなら 役割の
演者になる 道化の様に
狂って今 笑った 笑った
去っていく全てが 揺れてる光る街に

君は誰 誰 誰
知ってるの?
私は誰 誰 誰
何処にいるの 教えてよ

知っている答え 繰り返す応え
目と口だけ 動かして
糸人形みたいにね

明るい影 金色の点
羽蟲は蝶と呼ばれた
蛹の殻は落ちて朽ちて
胸の中は沢山の蛹の殻で一杯

見上げる窓 その先は白
殻を積み重ねても届かず
崩れ落ちて 埋もれていく
その事実だけは解るのに

この手放した夢の続きは
年輪の様に殻の中
私を繰り返す殻の中

のみほす
のどならす
のぞみのままに