2018-10-29 縷 詩・散文詩(最近) #詩 君を忘れる 月見の夜の出会いと別れの一齣 青鈍色の窓辺の下で 並んだ試験管の中を 赤い液体がゆったり いったりきたりしながら 未来と過去を織り交ぜた 薄紅色の光を僕の頬へと写して 消え入りながら 君と呼ばれる全ての何かを 何処かへ何処かへ 誘って 行くようだ 君を忘れる 月見の夜の終わりと始まり一齣 それは微かに瞬いている 乱反射した月明かりか 細い細い窓の零れ火 四角い街を飲み込んでいくよ 何処かでカラカラ音を立てて