風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

 
君を忘れる
月見の夜の出会いと別れの一齣

青鈍色の窓辺の下で
並んだ試験管の中を
赤い液体がゆったり
いったりきたりしながら
未来と過去を織り交ぜた

薄紅色の光を僕の頬へと写して
消え入りながら
君と呼ばれる全ての何かを
何処かへ何処かへ
誘って 行くようだ

君を忘れる
月見の夜の終わりと始まり一齣

それは微かに瞬いている
乱反射した月明かりか
細い細い窓の零れ火
四角い街を飲み込んでいくよ
何処かでカラカラ音を立てて