風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

O-Wan

透明なプラスチックの壁
見えない壁に喘ぐ
片言の正しさなんて
役立たずな
秋の日の扇風機みたいだ

プラスチックの家は狭く
篭った音も洩れて流れる
聴きたくない言葉ばかり
白け始める水面下の心

抑圧 解かれた 束縛も儘ならず
思い出した様に 涙溢れても
夕闇に見上げて 隠す振りして
このまま何処か遠くへと 呟く
誰も待ってなんかいやしないし
何処も空いてなんか無い

今この空気の中を切り裂く様に
プラスチック プラスチック
小波の様に融けて消えてく
プラスチック プラスチック
秘密めいた呪文の様さ
明るい笑い声の呪縛
空っぽの身体染み込んでくる