風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

0次元の恋人

誰でも構わないなんて 硝子の夜を走った
手足を赤く傷つけて ささくれたワタシを見てよ なんて

止まらずに叫んで 壊れてしまった台詞
固定された立ち位置から逃げ出して
歩くのも苦しい痛み我慢して
身体に力が入らない 自分がとても可愛そう

何も解らない子供なら 幻でいい 掴んでいる
言い切った
薄暗い道の先に 長すぎる夜に 身震いする身体叩いて
タツク口 ぐっと閉じて 何も見えないまま歩きに変わった

0次元の恋人
彼の優しい台詞 ワタシの口から一つ洩れた
止まらずに叫んで 壊れてしまった台詞
「ごめんね」痛みの中で叫んでみても
それが虚しく木霊してる

0次元の恋人
優しい台詞 ワタシの口から一つ洩れた
うっとり聞ききながら 彼と重なる影を踏んで
幽かな匂いさへしない 大きな背中求めながら
一つしか無い身体 抱いた