風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

Dried flower Pot

 
乾いた花びら 丸い天井
誰もいない午後の 憂鬱な電話
名前を呼んでくれる人はもういない
きっと私だって 判らないから

丸い容器の乾燥花は色褪せて広がる水中花
光に沈んで震えて浮かぶ
泡に隠れた 星を見上げた

泡立つ水は回り やがて静かに散る 
けばけばしい程 鮮やかな色 溶かしながら
蕩ける頭で過ぎた時間 重ねた指で
悶える様に その身体 踊り蠢く

五月雨のお別れ 虹色のflavor
容器の中で 思い返した
歩き出す方向が眩しくて見えない
それでも今はただ一頻り
水に沈んで 空を見ていよう