風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

ソラ見ルパーチ

 
灰の夢を見よう
オレンジ色の火に焼かれて
燻った思い出も
やがては煙に変わって
雲になって
色を吸った雨に変えられていく様に

手探りの時間を 過去を
終わらせるのなら
懐かしい部屋で独り
天井を見上げる
足元にはもう意味のないガラクタの山
大切なモノだった筈なのに

今も残る微かな声は何処から?
光る尾羽根が部屋の夜を裂いて
朝の訪れを ただ謳った
それはお日様の金色の仕業
形を失い君を忘れた名残

立ち仰ぐ肩より消えたぬくもりは
変わらない現実
優しい声はもう聞こえない
鳥は飛び去り 世界は色褪せた
止まり木は立ち止まり
形を変えぬまま

この焔に燃え尽き
いっそ灰と消える夢を
空に 空に 見る