風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

2019-09-01から1日間の記事一覧

滲色の雨

夕暮れ色の指先で 指差す先は淡い虹の麓 はらはらと落ちていく欠片 その色の切れ切れは やがて滴に変わり 形を失いながら消えていく 滴は密やかに身体を濡らし 確かに感じた感触も 熱を帯びた記憶も 水面の生じた波紋の様に ただ静かに広がりながら まるで何…