風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

66の我侭

66の夢を見つめ 繰り返しを集める 
取りこぼした夜を滑るように駆け抜け
暗い月の出た空の 凡庸な眺めは
使えない言葉をのたくった若人の証

砂の月這い出る 色砂漠の景観
肉の草木が生い茂るオアシス
赤い実 青い実 混同の
影も結べず縮まりこんだ姿は
まるで苔むした墓標の様子

66と 66と 輝きだすと止まらない
愛しく 抱きしめた とある日々は
サディスティックな気分を余所に
笑い声だけしか残らない

砂で描いた道を眺め
湾曲した地面を歩いて行こう
痩せたサイン 何時までも覚えられなくて
古びたデコイ 勘違いして手を振った
お仕舞いは 何時も付いていけない

お城に一人 我侭皇女様
お城で遊ぶ 一人は遊ぶ
砂が絡んで 吐き出す度に
塞ぎこんだ姿 影が伸びる

お城に二人 大臣と執事
お城で学ぶ 一人を使い
磁石にも似た 儀式遊び
邪な笑い声 瞳が陰る

66と 66と 輝きだすと止まらない
冷めた 手綱を 引き寄せる
思いがけない物事に憧れ
醒めた笑いは 誰も見えない