風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

 
一滴 僕に当たれば
そこだけに輪郭が生じ
二つ 三つ
滴が落ちる度に
その片影を濃くする

夕立の間だけ
僕は君に差される
雨粒から君を守り
この身の内に抱き
幾ばくか慰める

夕立は突然に止むもの
雲間から太陽が覗く
滴が無くなれば僕の形は消える
君は僕を置き
零れ日の中に消えてく

夕立の間だけ
僕は君に差される
夕立の間だけ
僕は君に逢える