2016-08-23 傘 詩・散文詩(最近) #詩 一滴 僕に当たれば そこだけに輪郭が生じ 二つ 三つ 滴が落ちる度に その片影を濃くする 夕立の間だけ 僕は君に差される 雨粒から君を守り この身の内に抱き 幾ばくか慰める 夕立は突然に止むもの 雲間から太陽が覗く 滴が無くなれば僕の形は消える 君は僕を置き 零れ日の中に消えてく 夕立の間だけ 僕は君に差される 夕立の間だけ 僕は君に逢える