風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

詩_002

本当に悲しいのは
相手がいるからじゃない
本当に泣きたいのは
ぶつけられる言葉じゃない

大きな時計の文字盤は
私たち一人一人の数だけで
たかが一から十二の羅列なはずなのに
数分の遅れで秒針は帰っては来ない
リンドン鐘が鳴れば
祝福されるのは私たちですか?

くたびれた袖口
今日も一様に
声が私を包む
重なり交差する糸の元
伝達する刃は
誰の胸にでも突き刺さる

硝子の沈んだ浅瀬のように
ここは煌めき傷つけ合う場所だから
錆びた心臓チキチキいってる
チキチキチキチキ嘶いてる