風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

そらっぽ

 
繋ぎとめたステレオグラムの世界
寄せえては返す
前照灯のさざ波は
何時までも泣きじゃくるみたいに
この場所を
この時を
大きな流れの奇跡なんて呼ぶんだ

指先と歩幅と 街の音の匂いと
黒を薄めた青を辿る指先
失われていく 手の中のほとぼり

空想で 空っぽで 上の空
飲みかけのジュースとか
食べかけのお菓子とか
おしまいと その先と

知っているのに
知らないふりで
身体抱いて
イコライザーなんていらない

知らない文字で書かれた
アナタの名前なら
それなら
どっちだって...

そらっぽ
そっぽむいて
そっちじゃないの
風はこんなに暖かいのに