風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

2007-10-13から1日間の記事一覧

片子座の空

待ち合わせ 彼は来ない それでも待っているつもりで 夜は更けていく 都会でも輝く星に思いを架ける ふっと息を吹けば 白く薄く消えていくばかり 数え切れない溜め息が星明りに散らされ 街に光が灯り始める ベンチに置いた手が冷たくて ポケットに手を入れて …

Folidol polka

小鳥の赤い風車の下にゃ マネキン畑が段違いに広がって のっぺらぼうの顔々が並び 自己鑑定のプロペラに書かれた通り 幽霊達の行列は続く 佇む影はマネキン人形 今で666体目の乙女人形 人形の眼は薄笑う硝子球でも 捨てられた自動運転が怖くなって 泣き喚い…

犬脚のモユコ

Y字路に佇み 黒い影の男が歌いますは 楽園を捨てた十字架の歌 使い古された丸いオルガンでは はい 誰も見向きも止まりもしない その傍ら 白地の点線線路の上で 毎夜赤が揺れる 赤い服着た目立つ少女 歩きずらそうなハイヒール 今日も暫し影男をじっと見つめ…