風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

Pepper fruit

黒い太陽の輪郭が
形を変えて降り注ぐ記念日
目新しい服を着て
目隠しの子供たちと悪魔の呼びかけに答え
2で割れる数だけピンク色の林檎を食べた

目隠しで見えない世界なら
悪魔の声に従うだけさ
歩く足並みが怖々でも
胸を張って歩けよ

悪魔の声に応えた
自重に呻く天使達
手の届く限り嘲り合いの境界
とても弱々しいけど
ここは黄昏だけの世界
玩具遊びの影絵芝居で
住めば都と思うが
それは嘘さ

歩く金ラッパ追い縋る行列
ジリジリと喉を焦がす太陽の下
一人一人ロープ握って
綱渡りみたいに怖々だけど
声を上げて笑えよ

ピンク色の林檎食べた子供達
悪魔は去って
天使は残った
手の中に残る重み
贈り物の中身
それは目を逸らしても数えてしまう倍数
金ラッパが黄昏に消えても
きっと拭えやしない