風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

ねーむれすれす

 

 
あの日の夕焼け
どの日の夕焼け?
偽りの思い出に縋るのは
遠い国にいる国のない王様達
臣下のいない怒りっぽい王様
灰色ケープを引きずって
ラッパを吹いてご満悦

王様の目の中に流れる景色は
どれも瑠璃色の輝きで
灰色に踏みしめた地面を
のっしのっし歩く
瑠璃色の目をして
熱く乾いた道を歩く

点と点を結んだら
線は逸れてこんがらがって
千切れた棒が狂った様に
何処かに飛んで行っちゃった

瞼を開ける 美しく
瞼を閉じて 真っ暗け
瞼を開けて 灰色の黒い窓に映るのは
声も聞こえぬこの空の下

太陽は沈む
言葉は噤む
道化師は独り踊り
満面の笑みで蛹の様に泣いた