風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

あてこすり

鋭く尖らせたエンピツみたいな言葉が
混ぜこぜの雲の中を突き進んで
薄暗くなる頃 まだ光っていたら
その推進力のままに
あてつけみたいに書き記しておくよ

意識の霧散は常套句
薄まった満足 その先に空しさ
縋りつけるものは枝葉のように
光あれと人は簡単に言う
空に掲げる手のひら透ける
その幻覚 薄水色の蝶の群れ
落葉

光彩がくぐもり
くすぐりあった幼さを想う
平坦な毎日に儀式めいた悪戯
街の時間を閉じ込めた 瞳の色

押しとどめて
押し込めて
いつか破裂して
悲しくなって
それでもなんとか
形になって
前も向けず
後ろも向けず
足元には薄氷の下に空

くすぐったさの居心地の悪さ
温もりだけが抜け落ちていた
幾度も真昼の月を追って
退屈な無窮さを
くそったれだ
と嘯いて

鋭く尖らせたエンピツみたいな言葉が
混ぜこぜの雲の中を突き進んで
薄暗くなる頃 まだ光っていたら
その推進力のままに
あの頃みたいに書き記しておくよ

逆さまの太陽と溜息のバブル
原液を沈んでいく 水平線