風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

ペル イヴ

始めてくれた台詞から

五臓六腑に染み渡る習性

頭のなかのネジ巻き鳥が

デジタル信号の卵を割って歩きだす

 

こんなモザイクの仮面の仮面の

食い違いで

ワタシの価値を図ろうなんて

それでもさっさときっと

思い通りに演じてしまうと呟くの

 

がむしゃらな動きで

真剣な顔をして

楽しくもなく

ただひたすら

そんなワタシをあなたは

哀れむみたいに

怖れるみたいに

そうして遠くで笑うのかしら

 

色は変われど形は変わらない

そんな現実突きつけられて

購うもののないこの両翼では

落ちていく軌跡にしかなりもしないのに

 

痛みだけが夢みたいに

非現実を鎖に繋ぐ

獣の様に脇目も振らず

受動する全てと空白の時間と

幾度もこの場所は陽炎のように

過ぎ去る時の躓きね

 

靴が強く鳴く

人々の声が遠く

遠のいて遠のいて

痛みだけが夢みたいに

非現実を鎖に繋ぐ