風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

石のライオン

 
もし
たら
れば

出来る事なんてそれだけ
自分がいなくなったって
世界は変わらずにいるだろ
彩りを添える為だけに
トコトコ歩き出す夜道

電灯の下の明かりが
ゴールみたいに見えて
跳び跳び歩いていくのさ

セピアの記憶も闇夜では
灰色に見えてしまうだけ
色を取り戻す明日まで
寒空歩いていよう

声を上げて泣く事が出来なくなった日
涙が無くても 泣けるんだって知った
だから
声を上げて笑う事も出来なくなったって
きっと笑う事は出来るんだろう


もし
たら
れば

出来る事なんてそれだけ
自分がいなくなったって
世界は変わらずにいるだろ
朝も夜も

項垂れた灰色の街角も朝が来れば
一つ位は 色づくだろ
そうしたら 嫌だって
思い出した様に
空を見るしかなくなる筈だよ