風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

とも(もの)

遠く煌く お月様に 影を作る 蝶々の黒
蹲ってさ 膝を抱えてさ
硝子の欠片 カチカチ合わせる
邪に 口元を歪め 夢を見るのさ
見えないものは 見たくないもの
聞こえなもの 聞きたくないもの
煌くお月様は隠してるのよ

茨の森に 隠れた乙女が
幾日たてど 戻ってこない
瘴気噴出す 魔性の森だよ
茨の緑 茨の黒 漆黒の森
森 森 森 黒い森
人の子 猫の子 引き裂いて
お月様みたいな 悲しげな瞳で
僕は君を 探しに行こうよね

狼の声が 空に消えてる
梟の声が 私を呼ぶのよ
背中に剣 背負いながら(肉球じゃ握れないけどね)
背中に盾 背負いながら(肉球じゃ握れないけどね)
黒い子猫は 女の子を探し
森は深くて 暗いけど
たまに ぽっかり お月様
僕の瞳と 繋がって
月目に涙 にゃおん

あの子はどこ?
早く見つけてあげなくちゃ
今は 繭になって
そのまま 黒くなって
いつか茶色になって 死んでしまうよ
早く見つけてあげなくちゃ
早く見つけてあげなくちゃ