風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

Re賽刳ル

 
雨が乾いて 降って 乾いて
まだら模様の街
ずぶ濡れなのは心の
飛びっきりの寒さ

まやかしの行き止まりに
枯れた蛍光灯の陰に
沈黙するくすんだ花の色

甘く教えて
見知らぬ世界を
灰を固めて
高く燃える
とても幸せな
その笑顔で

甘く教えて
約束と制約を
鮮やかに危うげに
高く燃える
その幸せを

沈んでいく太陽が窓辺から海原に落ちていく
光る魚達の行列
つまらなく吐き出す泡の中に
ネオンの灯りが迷惑な色に溶ける

乾いて 乾いて さらりとした感触で
瞑った両目を指先で隠した

甘く教えて
見知らぬ世界を
灰を固めて
高く燃える
とても幸せな
その笑顔で
あらゆる事が反目しながら酔っている
オレンジ色に明滅しながら