風見鶏テキスト

たまに思い出した様に散文詩を書きます。

あのころの

 
あのころの目
あのころの色

黒いほど群青の空
眩しいほど真っ白な雲

遠い日の町の空気と
光と影と雑踏
しんぴんの目で
しんぴんの心で
何も考えず歩いて

そうして
どこへ歩いて行ったの?
どこへ歩いて行くの?
飛び石みたいに家路を探す
さみしい背中は丸まって
足音だけを繰り返し
切なく砕けた
砂と石

あのころの目と
あのころの色と
切なく溶けた
夢の影

一凛 花は散り 一片空へ
吸い込まれる様に飛んでいき
見えなくなるまで見送った

きっと黒いほど群青の空へ
きっと眩しいほど真っ白な雲を越えて